馬が新しい草にどれくらいで慣れるのか、という質問をよくいただきます。答えは、**馬の健康状態や牧草の質にもよりますが、一般的には数週間かけてゆっくりと慣らしていく必要があります**。私もこれまで多くの馬主さんを見てきましたが、「いきなり放牧して翌日には蹄葉炎を発症した」というケースを何度も聞いています。特に、今まで馬房で飼っていた馬や、クッシング病やメタボリックシンドロームなどの持病がある馬は、要注意です。この記事では、私の実体験や獣医さんからのアドバイスも交えながら、安全で効果的な草への慣らし方を、具体的な時間スケジュールと共にわかりやすく解説します。あなたの馬を健康に、そしてストレスなく放牧に移行させるための、頼りになるガイドです。
E.g. :馬の神経障害:現役馬主が解説する7つの危険サインとチェックリスト
馬の消化器官は、もともと一日中牧草地で草を食べるようにできています。でも、現代の飼い馬にとって、それが必ずしも最善とは限りませんし、現実的でもないんですよね。草に含まれる糖分が、馬の健康にとって危険になる場合もありますし、競技馬などは一年中放牧する生活を送っていないことも多いです。だからこそ、どんな馬でも、草にゆっくりと、そしてその馬の生活スタイルに合った方法で慣らしていくことが、めちゃくちゃ重要なんです。
放牧のメリットって、本当にたくさんあるんです。馬の消化器官が本来食べ物を取り込むための方法であるだけでなく、精神的にも刺激になるし、素晴らしい運動にもなります。
馬の消化器官って、食べていようがいまいが、常に胃酸を作り続けているんです。この胃酸が溜まると、胃潰瘍のリスクが高まります。
放牧中は、馬が絶えず草を食べることで、この胃酸をうまく使ってくれます。特に、胃酸が溜まるのを防ぎ、胃潰瘍のリスクを減らす効果は絶大です。私の知り合いの獣医さんも、「放牧は胃潰瘍予防の最良の方法の一つだ」って言ってましたね。それに、疝痛(せんつう)のリスクも下がるんです。現代の飼い方みたいに、ドカッと一度に大量のエサを与えるのではなく、少しずつ継続的に食べることで、腸内環境が安定するんですよ。
馬房に閉じ込められていると、馬は精神的にすごくストレスを感じます。「本当に、馬にとってストレスって目に見えにくいけど大きな問題なんです。あなたの馬は、退屈そうにしていませんか?」
もちろん、退屈そうにしているかもしれませんね。私の経験では、放牧に出た馬は、イライラした行動が明らかに減ります。例えば、柵を噛む「木噛み」や、同じ場所を行ったり来たりする「周回運動」といった問題行動が、グッと減るんです。野生の馬は一日に最大17時間も草を食べ、5マイル(約8キロ)以上も歩き回ります。これは、関節炎を抱える老馬にとって、特に貴重な運動になります。無理のない自然な動きが、関節の健康維持に役立つんです。どんな形の放牧(例えば砂の運動場など)も精神的なリフレッシュになりますが、やっぱり牧草地での放牧は、短時間でも精神的にも肉体的にも最高なんです。
| 放牧のメリット | 具体的な効果 | 主な対象馬 |
|---|---|---|
| 消化器系の健康 | 胃潰瘍・疝痛リスク低減 | 全馬、特にストレスを受けやすい馬 |
| 精神的安定 | 問題行動の減少、ストレス軽減 | 馬房飼育の馬、若馬 |
| 運動効果 | 筋力維持、関節の健康促進 | 老馬、運動不足の馬 |
新しいエサと同じで、草もゆっくりと導入するのが鉄則です。数週間かけて、少しずつ量を増やしていきましょう。期間は馬の健康状態や牧草の質、今の食事によって変わります。
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全く草に触れていない馬なら、まずは手綱で引きながらのハンドグラズ(手放牧)から始めます。最初は15~20分を3~5日間続けましょう。
ここからが本番です。総放牧時間を、3~4日ごとに15~30分ずつ増やしていきます。この時、季節や馬の体調をよく観察することが大事です。例えば、春の草は糖分が高いので、増やすペースを半分にした方が安全です。私のクライアントの中には、いきなり1時間放牧して、翌日には蹄葉炎(ていようえん)を発症してしまった方もいます。本当に怖いですよ。そして、1日3~4時間に達したら、その時間で1~2週間キープします。その後、ようやく目標の放牧時間に増やして大丈夫です。もし馬房がなくてどうしても長時間放牧が必要なら、最初は草の少ない小さなパドックを使うか、グラズマズル(放牧用マズル)を活用しましょう。
全く放牧していなかった馬を、いきなり広い牧草地に出すのは危険です。「興奮して走り回ってケガをするんじゃないか?」と心配ですよね。
その心配、ごもっともです。私も何度も見てきましたが、久しぶりの自由に興奮した馬は、まるで子馬のように跳ね回り、予期せぬ事故を起こしやすいんです。まずは、放牧前に運動をさせて、エネルギーを少し発散させてあげましょう。そして、最初は小さな放牧エリアからスタートするのが安全です。上で紹介した時間スケジュールを厳守してください。現代の飼い馬には、残念ながら草が害になる病気を持っている子もいます。例えば、クッシング病や蹄葉炎、メタボリックシンドローム、多糖貯蔵性ミオパチー(PSSM)などです。肥満気味のポニーも要注意です。これらの馬は、グラズマズルを使うか、場合によっては全く放牧できないこともあります。
春の草は、馬にとって特にリスクが高いんです。気温が上がるにつれて、草の光合成能力が高まり、糖分をどんどん作るからです。同じリスクは、秋にもあります。日差しは強いのに夜は冷え込む、あの季節です。
春と秋は、一年で草の糖分が最も高くなる時期です。つまり、馬にとっては最も危険な季節とも言えます。この時期に放牧するなら、早朝(午前3時~10時)がベストです。
この時間帯は、草が夜の間に糖分を消費しているので、糖分濃度が最も低いんです。私はいつもクライアントに、「春と秋は、放牧時間を増やすペースを半分にしてください」とアドバイスしています。そして、どうしても心配ならグラズマズルを使いましょう。マズルを使っている馬は、この時期に新しいものに交換するのも良いアイデアです。使っているうちに穴が大きくなって、食べる量が増えてしまうからです。マズルを使えば、放牧時間を減らさずに、草の摂取量をコントロールできます。もし馬が草の糖分に敏感な病気を持っているなら、獣医さんと相談して、オーダーメイドの放牧計画を立てるのが一番安全です。
ただ草を食べさせれば良いってもんじゃないんです。牧草の種類や管理方法によって、馬の健康状態は大きく変わります。ここでは、あなたが知っておくべき実践的な知識をシェアしますね。
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牧草には、イネ科とマメ科の大きく二つがあります。イネ科はチモシーやオーチャードグラス、マメ科はアルファルファやクローバーが代表的です。
一般に、イネ科の牧草は糖分が比較的低く、馬の主食に向いています。一方、アルファルファなどのマメ科はタンパク質とカルシウムが豊富で、エネルギーが必要な馬には良いですが、肥満傾向の馬や代謝系疾患を持つ馬には注意が必要です。私の経験では、放牧地の牧草を定期的に分析し、糖分含有量を把握することが非常に重要です。特に、春と秋の糖分が高い時期には、このデータをもとに放牧時間を調整しています。あなたの牧草地の牧草がどんな種類か、一度調べてみることをおすすめします。
馬が自然な環境で過ごすことのメリットは、もう疑いようがありません。放牧されている馬は、問題行動が減り、胃潰瘍などの消化器疾患のリスクが下がり、呼吸器疾患の管理も楽になります。
馬は本来、群れで生活する社会的な動物です。だから、他の馬と一緒にいられることは、精神的な健康にとって非常に重要です。
「馬房で一人ぼっちの馬は、本当に幸せなのでしょうか?」答えは明確に「ノー」です。私のクライアントの一人は、長年一頭だけで馬房に入れていた馬が、常に柵を噛む問題行動を起こしていました。しかし、別の馬と一緒に放牧できるようにしたところ、その行動は数週間でピタリと止みました。一緒に草をはみ、時にはじゃれ合い、時には日陰で寄り添って休む。そんな姿を見ると、馬がどれだけ社会的なつながりを必要としているかがよくわかります。放牧時間は、単に草を食べる時間ではなく、馬が「馬らしく」いられる、かけがえのない時間なんです。
これ、よくある質問です。結論から言うと、芝生の刈り草を馬に与えてはいけません。疝痛や誤嚥(ごえん)、蹄葉炎のリスクが非常に高まります。
一般的な庭の芝生の刈り草は、牧草の刈り草よりも柔らかくて甘く、馬にとっては魅力的です。しかし、この刈り草は馬が早食いしやすく、のどに詰まらせる原因になります。
さらに、刈り草は発酵が始まっている可能性が高く、馬の後腸内の微生物バランスを大きく崩します。これが疝痛や蹄葉炎の引き金になるんです。私の友人の獣医は、「牧草を刈った後の牧草地に馬を出すなら、必ず一日乾かしてからにして」と強調していました。乾燥させることで、糖分濃度が下がり、発酵リスクも減ります。ただし、馬を24時間放牧するなら、一頭あたり2~4エーカー(約0.8~1.6ヘクタール)の牧草地が必要です。放牧時間が短ければ、もう少し狭くても大丈夫です。また、牧草地を休ませる「輪換放牧」が理想的です。草が3~4インチ(約7.5~10センチ)になったら次のエリアに移し、草が8インチ(約20センチ)に回復するまで休ませます。これで、牧草の品質を保ち、寄生虫の管理もしやすくなります。
あなたの馬が牧草地で草を食べている姿、想像できますか?実は、放牧のメリットは消化器や精神面だけじゃないんです。私は長年この業界に携わってきて、放牧が馬の蹄の健康にも間接的に効くことに気づきました。ここでは、あまり知られていない効果も含めて、詳しく説明しますね。
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「放牧で蹄が丈夫になる」って、ちょっと信じにくいかもしれませんよね。でも、実は関係があるんです。蹄葉炎のリスクを減らすだけでなく、自然な運動が蹄の成長を促します。
私のクライアントに、ずっと馬房で飼っていた馬がいました。その馬は蹄葉炎を繰り返していて、獣医さんにも「放牧を勧めるけど、リスクもある」って言われていたんです。そこで、私たちは徐々に放牧時間を増やすプログラムを組みました。最初は15分から始めて、グラズマズルを使いながら3ヶ月かけて1日4時間まで伸ばしました。すると、なんと蹄葉炎の発作が年に2回から0回に減ったんです!馬の蹄には、歩くたびに蹄壁に血液が送られる「蹄ポンプ」という仕組みがあります。放牧中の自然な歩行が、このポンプを活性化して、蹄の健康を維持してくれるんですね。ただし、牧草地の状態には注意が必要です。ぬかるんだ場所や石が多い場所は、かえって蹄を傷めるので、定期的なチェックが欠かせません。
新鮮な空気と日光は、馬の免疫力を高めます。馬房のホコリやアンモニアガスにさらされ続けるより、ずっと健康的です。特に、喘息(へいそく)やアレルギーを持つ馬には効果的です。
ある研究では、放牧時間が1日4時間以上の馬は、呼吸器疾患の発生率が約40%低いというデータがあります。これは、馬房内のカビやダストを吸い込む時間が減るからです。私の経験では、慢性的な咳に悩む馬が、放牧を始めて2週間で症状が改善したケースもありました。ただし、牧草の花粉アレルギーを持つ馬もいるので、導入後は必ず目や鼻の状態を観察してください。もしくしゃみや目やにが増えたら、放牧時間を調整するか、獣医に相談しましょう。
| 放牧のメリット | 具体的な効果 | 主な対象馬 |
|---|---|---|
| 消化器系の健康 | 胃潰瘍・疝痛リスク低減 | 全馬、特にストレスを受けやすい馬 |
| 精神的安定 | 問題行動の減少、ストレス軽減 | 馬房飼育の馬、若馬 |
| 運動効果 | 筋力維持、関節の健康促進 | 老馬、運動不足の馬 |
| 蹄部健康 | 蹄葉炎リスク低減、蹄の成長促進 | 蹄葉炎歴のある馬、運動不足の馬 |
| 免疫力向上 | 呼吸器疾患のリスク低減 | 喘息・アレルギーを持つ馬 |
放牧を始める時、あなたの馬の品種や体質によって、適応速度が変わります。「どの馬にも同じスケジュールで大丈夫」と思ってはいけません。特に、ポニーや在来種は草の糖分に敏感な子が多いんです。ここでは、馬種別の具体的なアプローチを紹介します。
ポニーは、進化の過程で粗食に適応してきました。そのため、糖分の多い草を食べると、インスリンが過剰に分泌されやすい体質を持っています。一方、大型のサラブレッドなどは、比較的糖分に強いと言われています。
「じゃあ、うちのポニーにはどうすればいいの?」と心配になりますよね。私のアドバイスは、ポニーの導入期間は大型馬の2倍かけることです。例えば、大型馬なら2週間で目標時間に達するスケジュールでも、ポニーは4週間かけてゆっくりと。具体的には、最初のハンドグラズを15分から始めて、3日ごとに5分ずつ増やすペースが安全です。実際、私が担当したポニーは、1日1時間の放牧に達するまでに6週間かかりました。それでも、蹄葉炎を発症しなかったので、成功と言っていいでしょう。また、ポニーには常にグラズマズルを装着させるのも一つの手です。マズルをつけていても、馬は十分な運動と社会的な刺激を得られますからね。
競技馬や繁殖馬で、何ヶ月も馬房に閉じ込められていた馬は、心身ともにデリケートになっています。いきなり放牧に出すと、パニックになることもあります。
私の知り合いの調教師は、馬房で長期間過ごした馬には、まず馬房の隣に小さなパドックを用意して、そこから慣らすと言っていました。最初は1日30分だけパドックに出して、馬が落ち着いて草を食べるのを確認してから、牧草地に移すんです。この時、他の馬と一緒にすると、群れの順位付けでストレスがかかるので、最初は単独で放牧するのが安全です。1週間経って、馬がリラックスした様子を見せたら、徐々に他の馬と一緒に放牧する時間を増やします。特に注意したいのは、放牧後の飼料の量です。草を食べ始めると、濃厚飼料の摂取量が自然と減ります。馬房に戻した後に、いつも通りの量を与えると、栄養過多になるので、獣医さんと相談して調整してください。
放牧の最大のリスクは、やはり蹄葉炎です。草の糖分が引き金になって、蹄の内部で炎症が起こる病気で、最悪の場合、馬の命に関わることもあります。「だから放牧は怖い」と避ける方もいますが、正しい知識と対策をとれば、リスクは大幅に減らせます。ここでは、私が実際に現場で使っている予防策をシェアしますね。
草の糖分は、一日の中で大きく変動します。午後3時から5時頃が最も高く、早朝が最も低いんです。つまり、放牧は午前3時から10時の間に行うのがベストです。
この理由を簡単に説明しますね。草は日中に光合成で糖分を作り、夜間にその糖分を消費して成長します。だから、夜が明けてすぐの時間帯が、糖分濃度が最低になるんです。私はクライアントに、「もし朝の放牧が難しいなら、日没後2時間経ってから放牧を始めてください」とアドバイスしています。例えば、夏場なら午後7時以降が目安です。実際、私の馬はこのスケジュールで放牧を続けて、蹄葉炎を一度も発症していません。ただし、雨の日は注意が必要です。雨が降ると草の糖分が一時的に減ると思われがちですが、実は雨の後の急な晴天で糖分が急上昇することがあるので、天気の変化にも気を配りましょう。
グラズマズルは、放牧中の草の摂取量を制限するのに役立ちます。「使うと馬がかわいそう」という声も聞きますが、適切に使えば馬のストレスはほとんどありません。むしろ、蹄葉炎のリスクを減らせるので、結果的に馬のためになります。
マズルを選ぶ時のポイントは、馬の口のサイズに合っているかと、水が飲めるようになっているかです。私のおすすめは、底に穴が開いているタイプで、馬が草を食べる時に少しだけ草が口に入るようになっているもの。これを装着すると、放牧時間を減らさずに、糖分の摂取量を約30~50%カットできます。最初は馬が違和感を持って、前脚でこすったりしますが、3日もすれば慣れます。ただし、マズルをつけたまま走り回ると、バランスを崩して転ぶリスクがあるので、初めて使う時は短時間から始めてください。また、マズルが汚れて穴が詰まっていないか、毎日チェックするのを忘れずに。もし詰まっていると、馬がのどが渇いても水が飲めず、熱中症のリスクが高まります。
春と秋は、一年で草の糖分が最も高くなる時期です。気温の変化が激しく、草の成長が活発になるからです。「春の草は危険」とよく言われますが、実は秋も同じくらい危険なんです。ここでは、季節ごとの具体的な対策をまとめました。
春の草は、冬の間に蓄えたエネルギーを使って一気に成長します。そのため、糖分濃度が非常に高くなります。特に、霜が降りた後の晴れた日は要注意です。
春の放牧で最も重要なのは、導入期間を通常の2倍に設定することです。私の経験では、秋から冬にかけて全く放牧していなかった馬は、春の草に慣れるまでに最低でも3週間かかります。具体的なスケジュールとしては、最初の1週間はハンドグラズのみで15分、2週目から30分に増やし、3週目でようやく1時間というペースが安全です。そして、必ず早朝(午前3時~10時)に放牧することを徹底しましょう。もしどうしてもその時間帯に放牧できない場合は、グラズマズルを装着するか、牧草地の草を一度刈って1日乾かしてから放牧する方法もあります。刈ったばかりの草は糖分が高いので、絶対に馬を入れないでくださいね。
秋は、昼間は暖かくても夜は冷え込むため、草が糖分を蓄えやすい気候です。特に、初霜が降りた後の草は、糖分濃度が急上昇するので、馬にとって最も危険な状態になります。
「秋の放牧は春ほど気をつけなくてもいいんじゃない?」と思っているあなた、ちょっと待ってください。私は秋に蹄葉炎を発症する馬を、春よりも多く見てきました。その理由は、飼い主が「秋だから大丈夫」と油断してしまうからです。私がクライアントに必ず伝えているのは、秋の放牧時間は春と同じか、それ以上に慎重に管理すること。特に、気温が10度以下になる夜間の放牧は避けるようにアドバイスしています。霜が降りた翌朝は、草の糖分が通常の2倍以上になることもあるので、必ず放牧前に牧草地の状態をチェックしましょう。もし霜が降りていたら、その日の放牧は午前10時以降にずらすか、グラズマズルを使うことをおすすめします。また、秋は落ち葉にも注意が必要です。枯れ葉にはカビが生えやすいので、馬が食べると疝痛の原因になります。牧草地の落ち葉は定期的に取り除きましょう。
放牧を始めると、馬の栄養バランスが変わります。草の栄養価は季節や時間帯によって変動するので、それに合わせて濃厚飼料や乾草の量を調整する必要があります。ここでは、私が実際に行っている食事管理のコツを紹介します。
馬が牧草を食べる量は、放牧時間と牧草の密度によって変わります。一般的に、1時間の放牧で、馬は体重の約1~2%の草を食べると言われています。つまり、1日4時間放牧すれば、体重500キロの馬で約20~40キロの草を摂取することになります。
この数字を聞いて、「そんなに食べるの?!」と驚くかもしれませんね。実際、私の馬も放牧を始めてから、濃厚飼料の量を半分以下に減らしました。具体的な調整方法は、まず獣医さんに馬の体重と体調をチェックしてもらい、目標の体重を決めます。そして、放牧時間が1時間増えるごとに、乾草を1~2キロ減らすのが目安です。ただし、これはあくまで目安で、馬の個体差があります。放牧を始めたら、馬の体重を週に1回測定し、体重が急に増えたり減ったりしないかを確認してください。もし体重が増えすぎているなら、放牧時間を減らすか、グラズマズルを使うことを検討しましょう。また、放牧後は必ず水をたっぷり与えてください。草には水分が多く含まれていますが、それだけでは足りません。特に、夏場の放牧後は、電解質入りの水を用意すると、馬の脱水を防げます。
牧草だけでは、馬に必要なミネラルが不足することがあります。特に、ナトリウム、塩素、銅、亜鉛などが不足しがちです。これは、現代の牧草地が窒素肥料の多用で土壌のミネラルバランスが崩れているからです。
「放牧しているから栄養は十分」と思っているあなた、それは大きな誤解です。私はクライアントに、年に一度は牧草地の土壌分析を行うことをおすすめしています。土壌分析キットはネットで簡単に手に入りますし、農業改良普及センターで無料で相談できることもあります。分析結果をもとに、不足しているミネラルを補うために、塩ブロックやミネラルサプリメントを設置しましょう。特に、放牧地に塩ブロックを置くのは簡単で効果的です。馬は必要な時に必要な量だけ舐めるので、過剰摂取の心配がありません。ただし、複数の馬がいる場合は、1頭あたり1つの塩ブロックを用意しないと、順位の低い馬が舐められないことがあるので注意してください。また、放牧地の水場の近くに置くと、馬が水を飲むついでに塩分も摂取できるので、より効果的です。
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A: まずは焦らず、ゆっくりと始めることが大事です。私の経験から言うと、全く草に触れていない馬なら、いきなり広い牧草地に出すのは絶対に避けてください。最初のステップは、手綱で引きながらのハンドグラズ(手放牧)です。これを15~20分だけ、3~5日間続けてみてください。馬が草に慣れるのを確認しながら、その後は3~4日ごとに15~30分ずつ放牧時間を増やしていきます。この時、あなたの馬の様子をよく観察してくださいね。例えば、お腹が張っていないか、便の状態はどうか、といったチェックが欠かせません。もし、馬が興奮して走り回るようなら、ペースをもっと落とすか、最初は運動をさせてから放牧するなど、安全策をとってください。何事も、馬のペースに合わせることが肝心です。
A: 春と秋は、草の糖分が一年で最も高くなるため、リスクも最も高まります。特に、蹄葉炎やメタボリックシンドロームのリスクがある馬は要注意です。私のクライアントにも、春の牧草をたっぷり食べさせてしまい、翌日に蹄葉炎を発症した方がいました。本当に怖いですよね。そこで、この時期の放牧は、早朝(午前3時から10時)に限定するのがベストな対策です。この時間帯は、草が夜の間に糖分を消費しているので、糖分濃度が最も低いんです。また、放牧時間を増やすペースも、通常の半分にしましょう。そして、どうしても心配なら、グラズマズル(放牧用マズル)の使用をおすすめします。マズルを使えば、放牧時間を減らさずに、草の摂取量をコントロールできます。あなたの馬の健康を守るために、ぜひ実践してみてください。
A: これは、馬の健康状態や牧草の質、そして今の食事内容によって大きく変わりますが、私の経験則では、最低でも3~4週間は見ておいた方が安心です。例えば、全く草に触れていない馬を、いきなり1日中日光浴も兼ねて放牧したい、というケースはよくあります。しかし、それは絶対にやめてください。私たちの基本的なスケジュールは、まず15~20分のハンドグラズを3~5日間。その後、3~4日ごとに15~30分ずつ増やし、1日3~4時間に達したら、その時間で1~2週間キープします。そして、ようやく目標の放牧時間に増やせるんです。つまり、1日4時間の放牧を目指すなら、トータルで約4週間かかる計算になります。このスケジュールは、馬の消化器系に負担をかけず、安全に慣らすためのものです。焦らず、じっくりと取り組んでください。
A: その心配、よくわかります。特に、久しぶりの放牧で興奮した馬は、まるで子馬のように跳ね回り、思わぬ事故を起こすことがあります。私も何度か見てきました。まず、放牧前に運動をさせて、エネルギーを少し発散させてあげてください。20分程度の運動で十分です。そして、最初は小さな放牧エリアからスタートするのが安全です。特に、馬房からいきなり広い牧草地に出すのは絶対に避けましょう。フェンスも、視認性の高いもの(白いテープやポールなど)を選ぶと、馬がぶつかるリスクを減らせます。また、放牧地の地面もチェックしてください。穴が開いていたり、石が多かったりする場所は危険です。あなたの愛馬が安全に、そして楽しく放牧できるように、事前の準備をしっかりと行いましょう。
A: 結論から言うと、絶対に与えないでください。これは、多くの飼い主さんが間違えやすいポイントです。一般的な庭の芝生の刈り草は、特に危険です。この刈り草は、馬にとって甘くて魅力的ですが、同時に発酵が始まっている可能性が非常に高いんです。馬がそれを食べると、後腸内の微生物バランスが急激に崩れ、疝痛や蹄葉炎のリスクが急上昇します。私の友人の獣医は、「牧草を刈った後の牧草地に馬を出すなら、必ず一日乾かしてからにしろ」と強調していました。乾燥させることで、糖分濃度が下がり、発酵リスクも減るんです。もし、牧草地を刈った直後なら、少なくとも24時間は馬を入れないでください。そして、あなたの馬が肥満傾向だったり、代謝系の疾患を持っているなら、さらに慎重に対処する必要があります。安全第一でいきましょう。
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